かつて鳥籠には二羽の鳥が入れられていた。 白い羽根の、よく似た鳥。 空を飛ぶことを恐れて、二羽はいつまでも寄り添って震えていた。 鉄格子に触れることすらせずに、不安定に揺れる箱庭の中で終末の訪れを息を殺して待ち続けた。 いつしか鳥達は、自分に羽根があることすら忘れてしまった。 そんな二人の物語。